おわり と はじまり

18歳の春、父は他界した。

 

 大切な人を失った悲しみ以上に、

忘れられない出来事があった。

 

 

法事の席で私は、

父の仕事仲間2人と

父の思い出話をしていた。

それぞれの思い出自慢。

涙を浮かべながらも、

皆、嬉しそうに話していた。

 

 しかし…

話に耳を傾けていると…

なんかおかしい…

それぞれが、

別の人の話をしているみたいだ…

全てが噛み合わない…

 

 

 

「あれ…?」

 

 

「私が父親だと思っていた人は…一体誰だ?」

 

 

 

悲しみはどこかへ行き、

私は、

胸の奥から溢れる

新鮮で、不思議な感覚に包まれていた。

 

 

 

ふと思い出したあの時の感覚。

 

そして気がついた。

 

 

人は、

だれもが自分の世界を生きている。

だれもが世界の主人公だ。

そしてだれかの人生の脇役。

 

 みんなが違う世界に生きている…。

 

だれもが世界の主人公。

自分の師は自分であり、

自分の王は自分であり、

自分の教祖は自分だ。

 

人って、

ほんとはこんなに孤独なのか…

 

自分の気づきと

常識との矛盾…

 

 

 

この時の気づきは

本当のことを知るまでの

入り口に過ぎなかったけれど、

この時から、

答えを探す冒険が

少しずつ始まっていたんだな…。